木造の現存天守閣を見に行こう!

安土桃山時代、初めて織田信長がつくったとされている天守閣を持つ城は、一時期170余も存在していましたが、今、現存する天守閣がある城は、12城にすぎません。当時の武将たちが夢を追い、栄華を極めた象徴でもある現存天守閣には、歴史ロマンがたくさんつまっています。今回は、そんな12城の中でも関西から近い3城をご紹介します。


現存天守閣とは?

修復などを繰り返し、創建当時の姿を維持してきた天守閣や焼失、損失したのち遺材を組み直して再建されたものなど、人々が当時の建物をなんとか後世に伝えようと切磋琢磨し、守り続けてきた天守閣のある城のことです。建築技術も書物や口伝えによって受け継がれていることは少なく、時代時代の大工たちが、先人たちの仕事を見て技術を蘇らせ、復元していると言われています。

秋の行楽シーズンにぜひ行きたい、関西に近い現存天守閣3城

1.姫路城

日本の城といえば絶対に外せない、国宝姫路城。平成5年には、世界文化遺産にも登録されました。南北朝時代に姫山城として築城されたあと、安土桃山時代にのちの豊臣秀吉が三重の天守を築いて「姫路城」と改称しました。白の漆喰で塗られた外見の美しさから別名「白鷺城」とも呼ばれています。天守閣だけでなく、櫓や門、石垣、掘など、城郭建築の宝庫と呼ばれるほど見どころが多く、近世城郭の最高峰ともいえる建築技術を間近で楽しむことができます。

2.彦根城

築城から410年を迎えた、国宝に指定されている井伊家ゆかりの城。平成8年には築城以来5回目となる大改修が完了し、当時の姿が現代に美しく蘇りました。また、天守閣には、花頭窓や唐破風、武者窓や千鳥破風など、見事な飾りが施されており、見る人の目を楽しませます。

3.丸岡城

福井県にあり、日本最古の現存天守閣として知られています。天生4年(1576年)に、織田信長の命により、柴田勝家の甥、勝豊によって築城されました。外観は二層、内観三層の天守閣で、“野づら積み”という古い方式で積まれた石垣が、他の豪華絢爛な城とは違った、野趣的な美しさを放つ姿が特徴で、全国から多数のファンが訪れています。

いかがでしたか?建築技術がこれほど進んだ現代において、真似をすることができない技術が盛り込まれている現存天守閣。今回ご紹介した以外にも、名古屋の犬山城や長野の松本城、香川の丸亀城など、少し足をのばせば見ることができる現存天守閣もあるので、ぜひ心地よい秋の休日にお出かけください。